熊本城マラソン2017ではランナーを始めスタッフの方、また沿道などで皆様を応援された方々、お疲れさまでした!熊本地震後のマラソンは、感慨深く、映し出される映像においては考えさせられることも多くありました。
さて、先週になりますが、医院を休診させて頂き、学校医として熊本高校で行われた学校保健委員会に参加をしてきました。学校保健委員会とは生徒の健康問題を捉え、教職員、学校医などの専門職、保護者、生徒にて作られた組織で方策を行うものです。
各部署からの課題があり意見交換が行われました。
今年度は、地震対応、防災についてがテーマでした。
インターネットを使った情報発信や伝達が大変有用でありますが、新年度まもなくに熊本地震が起こり、登録が不十分なために発信はできても伝達が難しかったなどの課題がありました。改善策としては、合格者招集日などに確実にメール登録をしたり、インターネット環境のない生徒を確実に把握するなどがあげられましたがまだまだ多くの課題が残されています。確かに便利ですが、モラルの問題や学校側の負担も大きそうです。
初めて耳にする防災ツールの紹介もありました。なんと!ゲームです。とは言ってもスマホゲームではありません。防災ゲーム「クロスロード」という名前です。5人以上(奇数)のグループを作り災害時などの状況を表した文章を読み上げ「イエス」「ノー」で答えてポイントを課す、といったものです。
定期的に行って頭に刷り込んで、防災訓練と併用して行えば、かなり効果的だなと思いました。
防災訓練においてちょっと驚き、考えさせられた意見が出ました。
とある企業にて抜き打ちの訓練を行ったところ、リアルな抜き打ち訓練だったため、従業員の方が精神的に大きなショックを受け、その方は退職に至ったということです。
より真実味があったほうが訓練の質が良いような気がしますが、このような悲しい出来事があっては絶対にいけませんね。訓練とはいえとても難しいです。
最後に生徒の委員会の皆さんからは興味深い取り組みの発表がありました。
午睡、実は私も行っている15分間のお昼寝が頭のリセットや疲労回復に効果がある(久留米大医学部の内村氏による)というものです。
これはお勧めです。午前中少々疲労しても短いお昼寝のおかげでスッキリとして、午後の診療に臨んでいます。
1年に1回の学校保健委員会ですが、災害時地域において、大切な役割を担っている学校の取り組みに熊本地震を経験し、その一員である学校医として深く関わっていく責任を感じております。